お茶うけ
小梅に砂糖
漬け物とみかんがあれば
なお結構
漬け物とみかんがあれば
なお結構
ゆく年来た年
昨年と今年の違いを
空気の中に探す
いつも見つからないけれど
空気の中に探す
いつも見つからないけれど
大晦日の昼
母やおば達が甲斐甲斐しい日中
寒い中、家の周りで作業の父やおじ達
お茶の間のお茶係は任せてください
寒い中、家の周りで作業の父やおじ達
お茶の間のお茶係は任せてください
それも年功
天井を見ながら
此処はドコだっけ、と確認
見慣れた天井ってやつが
ずいぶん増えたものだ
此処はドコだっけ、と確認
見慣れた天井ってやつが
ずいぶん増えたものだ
炬燵板
それは板というより
大きなお盆
やはり東京ではめったに見ない
大きな電気炬燵布団に鎮座する
漆塗りの豪華な炬燵板
大きなお盆
やはり東京ではめったに見ない
大きな電気炬燵布団に鎮座する
漆塗りの豪華な炬燵板
田んぼの風景
まだ道が
車の轍を残している頃は
田んぼも
昔からの自然の一部だった
道がアスファルトに被われた途端
田んぼすら
何か規則正しい緊張感が漂う
本当に気のせいなんだけど
車の轍を残している頃は
田んぼも
昔からの自然の一部だった
道がアスファルトに被われた途端
田んぼすら
何か規則正しい緊張感が漂う
本当に気のせいなんだけど
光まぶしい晴れの日
お茶の間に
障子で隔てられた
板の間は
日だまりポカポカ
障子で隔てられた
板の間は
日だまりポカポカ
小作で決まり
田舎への途中は
ドライブインのカレーが定番でした
スキー場への道中の楽しみはほうとうでした
ドライブインのカレーが定番でした
スキー場への道中の楽しみはほうとうでした
シームレスの時代
昔スキーによく出かけた頃は
現金を下ろすATMも
だんぜん郵便局が便利なものでした
もちろん昼間しか使えませんが
現金を下ろすATMも
だんぜん郵便局が便利なものでした
もちろん昼間しか使えませんが
マロニー
斑尾で知ったマロニー
箱入り娘は
意外と何も知らない
箱入り娘は
意外と何も知らない
職場のお年寄りっていいものです
賄いのおばちゃんは
いつも食堂にいる
いつでも手先は仕事中
そしていつもニコニコ顔
いつも食堂にいる
いつでも手先は仕事中
そしていつもニコニコ顔
囲炉裏
台所の一角は
いつも野菜や篭がおかれていて
蓋もされてしまっている囲炉裏
昔、一度だけ五平餅を
そこで焼いた覚えがある
いつも野菜や篭がおかれていて
蓋もされてしまっている囲炉裏
昔、一度だけ五平餅を
そこで焼いた覚えがある
ふすま
その襖が開くと
懐かしい笑顔が顔を出す
おじいちゃんの茶の間
家族が増えるときに
思い浮かぶ風景
懐かしい笑顔が顔を出す
おじいちゃんの茶の間
家族が増えるときに
思い浮かぶ風景
一度だけ
父方の田舎で
母方の祖母と
四つ葉を探した田んぼの畦道
母方の祖母と
四つ葉を探した田んぼの畦道
火鉢ストーブ
都会のウサギ小屋では
なかなか見られない
憧れの火鉢ストーブ
炬燵には足を入れて
この淵で手を暖め
ミカン食べたり熱燗飲んだり
なかなか見られない
憧れの火鉢ストーブ
炬燵には足を入れて
この淵で手を暖め
ミカン食べたり熱燗飲んだり
切り餅ができます
真っ白な板餅が
型から取り出されたら
一反木綿か塗り壁みたい
これを切り分けた数だけ
笑顔になります
型から取り出されたら
一反木綿か塗り壁みたい
これを切り分けた数だけ
笑顔になります
自転車
東京で商売していた頃から愛用の
革のサドルは長い年月を重ねカッチカチ
漕ぎはしない
乗って里へ降りて
帰りは引いて帰ってくる
時には知り合いの軽トラックに積まれて
帰ってくる
革のサドルは長い年月を重ねカッチカチ
漕ぎはしない
乗って里へ降りて
帰りは引いて帰ってくる
時には知り合いの軽トラックに積まれて
帰ってくる
用水路
家の前の道には
両側に細い用水路
生活排水は紛れてなくて綺麗だけど
尻込みするほどの激流
子供が落ちたら流されそう
田舎で2番目に怖い場所
両側に細い用水路
生活排水は紛れてなくて綺麗だけど
尻込みするほどの激流
子供が落ちたら流されそう
田舎で2番目に怖い場所
近頃のこと
銀行のテーブルで
貸しメガネのケースが
身近に感じられるとは
感慨深い
貸しメガネのケースが
身近に感じられるとは
感慨深い
塩ブームを先取り
塩羊羹を買う店は
田舎から出発して
諏訪湖の手前
どうしてここかは
今度聞いてみよう
田舎から出発して
諏訪湖の手前
どうしてここかは
今度聞いてみよう