バイトの寄宿舎に着いて
最初にすることは
蛇口から水をコップについで
飲み干します
世界で2番目に美味しいと思う水
黒い電話機の乗ったその棚の
扉の中には甘い匂いの記憶
もの心ついて最初の記憶そのまま
電話帳しか入ってないこと知ってるけど
いつもと違う雰囲気で
親がよくおもちゃを
買ってくれたものでした
穴場でしょう
馬見塚公園の桜
もう10年見てないけど
スキー場に向かうバスの窓から
売店のおやきの湯気ほど
暖かく見える物はない
いつゴジラが出現しても
不思議はない
夜の中央高速は
そんな真っ暗闇でした
凍った野沢菜
酒の肴に
おつです
自家製って
やつだからこそ
帰りたくなくて
夕方見つけたペンションは
急なお客も満足な夕食で
さらに好きになった野麦峠
伊那谷の入り口は
長い下り坂スロープ
到着のはやる気持ちを抑えて
スピードも抑え目に
甲府から諏訪方面は
右側に
八ヶ岳を感じて走る
甲斐駒ヶ岳は滅多に見えない
小海を越して
市街へ向かう道すがら
パチンコ屋の上の空だけ
妙に明るい
到着地前のひととき
出発後の現実味の実感
コーヒーを飲みながら
心の呼吸を整える
諏訪インター店に配属された彼
元気だろうか
今もいるとは思わないけど
当たり前だった冬のスケート
最近は神渡も
なかったりするとは
想像も出来なかった
同じ雲は見れないけど
同じ空の青さは見てるはず
そこまで繋がって
いるはずだね
綿入り布団は
体温でぬくぬく
廊下の向こうの
茶の間が遠い
目線はいつも谷の向こう
高速を通り越した南アルプス
だから後ろの駒ヶ岳
は滅多に見ない
田舎じゃ滅多に見ませんでした
でも農協では見かけます
ここでしか見かけないから
やっぱり名物でしょうか